私が所属している学会には小児アレルギーエデュケーターという制度があり、シンボルマークがあります。初めて見たときに、なぜシンボルマークに象さん?と不思議に思いました。よく見ると…蜂さんもいる!
以前アレルギーは「群盲、象をなでるがごとし」と言われており、実際アレルギー学会のシンボルに象が使われていました。1996年アレルギー学会春季大会を主催する際に、この象に蜂の一刺しを加えて大会のシンボルとすることが提案されました。「アレルギー疾患を解明してみせる」「象であってもアナフィラキシーをおこしたら助けてやる」などの複合した意味も含まれるようです。蜂はアナフィラキシーを表しています。
「群盲象をなでる」調べてみると、インド発祥の寓話(ぐうわ)のようです。『物事や人物の一部、ないしは一面だけを理解して、すべて理解したと錯覚してしまう』ことの例えとして用いられる、とあります。
日々の診療の中で私たちは家庭でのケアの部分的なところしか見えていない、理解していないかもしれません。ただ、地域のかかりつけクリニックとして、患者さんとそのご家族のライフスタイルに合わせた、効果的なケアの提供、アドバイスを実践し、困ったときに相談してもらえるような身近な存在になれればと努力しています。
クリニックにお越しの際、ゾウさんとハチさんを探してみてくださいね。
(担当伊藤)