アトピー性皮膚炎の方の治療薬として、「デュピクセント®」「ミチーガ®」薬剤の取り扱いを開始しました。
アトピー性皮膚炎でお困りの方は当院外来でご相談ください。
下記参考ページとなります。
6歳以上のアトピー性皮膚炎治療の選択肢 ミチーガⓇ
生後6ヵ月以上のアトピー性皮膚炎治療の新たな選択肢デュピクセントⓇ
※リンヴォックについて簡単に紹介します。
これまで関節リウマチや乾癬性関節炎の治療薬であったリンヴォックが2021年よりアトピー性皮膚炎の治療薬として認められました。
アトピー性皮膚炎の症状の中でも「かゆみ」と「炎症」に対して高い治療効果があり、これまでの治療では効果が得られなかったお子様も「かゆみ」や「炎症」から解放されることが期待できます。
リンヴォック®とは
リンヴォック®は、JAK阻害薬とよばれるアトピー性皮膚炎の経口薬です。
アトピー性皮膚炎は「IL-4」「IL-13」「IL-31」などの物質がかゆみや炎症を起こすよう信号を送ることで症状が現れます。リンヴォック®はこの信号を伝達する「JAK」を阻害することでかゆみや炎症を起こす信号が届かないようにし、症状を抑えます。
12歳以上の中等症以上のアトピー性皮膚炎が対象とされています。経口薬であり、1日1回の服用が必要ではありますが、
リンヴォック®の治療方法
1日1回の飲み薬で、注射剤のように治療のために通院する負担がありません。
服用時間に制限がないため、お子様の生活サイクルにあった時間帯に飲むことができます。
通常は15㎎錠を1回につき1錠毎日服用しますが、症状によって倍量の30㎎が処方されることもあります。
リンヴォック®をおすすめする方
これまで、ステロイド外用剤や抗炎症外用剤等による治療法でかゆみや炎症の症状が改善されない、12歳以上のアトピー性皮膚炎患者が対象となります。
リンヴォック®は特にかゆみに対しての即効性があり、早ければ内服後数時間で効果が現れます。他の治療法ではかゆみが改善されないお子様、かゆみの症状が残っているお子様におすすめです。
治療費
小児は12歳以上が適応ですが、こども医療費などの医療助成の対象となります。
保険適用のお薬ですので3割負担となりますが、新しい治療薬のため高額になります。
治療費シミュレーターhttps://rinvoq.jp/ad/medical_bills/simulation.html
治療における注意点
リンヴォック®の副作用としては、上気道感染や気管支炎、悪心、腹痛、咳などが報告されています。
また、帯状疱疹や肺炎などの感染症が見られる場合もあります。発熱やせきなどの症状を感じた場合も医師にご相談ください。
リンヴォックによる治療の流れ
①リンヴォック®による治療が可能か判断
治療歴や症状の重症度を確認します。
問診、診察を行い、リンヴォック®の服用が可能かを判断します。
②検査
血液検査と胸部X線検査(レントゲン)を行います。
頻度は少ないものの、血球減少などの免疫抑制の副作用が現れる可能性があるため、服用開始後も数ヵ月おきの定期的な採血が必要になります。
③投薬量の決定
症状の重症度をもとに医師により決定いたします。
④治療開始
1日1回1錠を毎日服用します。
リンヴォック®は、これまでの治療法でアトピー性皮膚炎の症状が抑えられなかったお子様にとって、新たな選択肢となります。リンヴォック®による治療についてご興味をお持ちの方は、当院までご相談ください。