学校心臓検診のお子さんが多く来院される季節になりました。
日本の学校心臓検診は1973(昭和48)年から開始され、1994(平成6)年12月の学校保健法により、全ての小学校1年生、中学校1年生、高校1年生に、心電図検査が義務づけられました(一部自治体では小学校4年生も)。
毎年6月30日までに、各学校で、心疾患の問診と診察、そして心電図検査が行われます。諸外国では、症状がなければ心電図をとることはありません。
この日本のシステムは世界に類をみない誇れるもので、実際私重光自身がカナダの小児病院の循環器科に留学した2018-19年、同僚がカナダの全国民を対象にした心臓検診の実施案を模索している段階でした。
さらに、2019年にアメリカ心臓病学会に参加した際、日本からの学校心臓検診の報告を、アメリカの小児循環器の先生が絶賛していらっしゃったことをよく覚えております(2022年現在も、アメリカでは学校心臓検診はありません)。
学校心臓検診のお蔭で、心電図をとって初めて分かる不整脈や、先天性の心臓病が発見できるようになりました。
海外では、スポーツ選手突然死のニュースが時々ある一方、日本ではほぼ聞かれません。これも、日本の学童期からの学校心臓検診のお蔭かな?と思ったりします。
学校心臓検診で要二次検診となった際は、6~7月頃に、各生徒に学校から連絡票が届きます。
二次検診では、疑われる心疾患に応じて、レントゲン、心エコー、安静時心電図、運動負荷心電図の医療機関での精査を奨められます。
桜こどもクリニック本八幡では、これらの検査が全て可能です。万が一、「要二次検診」になった際は、ご相談ください。
医療機関での二次検査では、本当に心臓疾患があるかどうかを精査します。
精査の結果、心臓疾患が疑われた或いは診断された際は、治療方針をご提示し、そして運動強度の上限を学校と共有する「学校生活管理指導表」を記載します。
なお、重光は、複雑先天性心疾患や稀少な心臓疾患の診断経験も豊富です。
学校心臓検診だけでなく、心雑音など精査の際は、心エコーで的確な診断が可能です。
どうぞ宜しくお願い致します。