気管支喘息とはどんな病気?
空気の通り道である気管支が炎症すると気道が狭くなって、息苦しくゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴が起こります。
これを気管支喘息と言います。気管支が慢性的に炎症を起こしている状態です。
小児の気管支喘息
お子様のアレルギー疾患のひとつとされ、国内でも多くのお子様が発症しているのが小児気管支喘息です。発症時期は、平均2歳(1~3歳)が多く、約80%は小学校に入学までに発症しています。お子様の気管支喘息の約95%はアレルギー性で、血液検査を行って、ハウスダストやダニアレルギー陽性が多く見られます。
喘息発作の程度
小発作
走ったりすると咳き込んだり、軽く息苦しくなったりしますが、食事や睡眠は通常通りできます。ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴はごく軽く、あまり聞こえないため気付かないことも多くあります。小発作が出た場合は、夜間などの救急診療は必要ありませんが、念のため翌日になったら医療機関を受診してください。
中発作
横になっても咳き込んで、苦しくてまた起き上がってしまう状態です。喘鳴がはっきりと聞こえている状態です。中発作が起きた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
大発作
強い喘鳴が起きて、顔色が悪くてぐったりした状態です。思うように会話ができません。この状態になったら即時に医療機関を受診してください。
気管支喘息の治療
気管支喘息の治療には、発作が起きた時の「発作止めの治療薬」と、「毎日使用する治療薬」に区別されます。発作止めの治療薬には、気管支拡張薬があり、吸入・貼り薬・飲み薬などがあります。
気管支喘息がある方は、喘息発作がなくても気道が炎症している状態です。一度喘息発作が起きると、しばらくは発作が起きやすい状態が続きます。ゆえに、長期的な治療によって炎症を抑える必要があります。これには、吸入ステロイドやロイコトリエン拮抗薬(オノン・シングレアなど)を毎日使用していきます。
治療によって、喘息発作をコントロールでき、発作が起きない状態が数カ月続いたら、治療薬の量を減らします。当院では、小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017に則り、治療を行っております。また、吸入ステロイド薬の使用方法なども丁寧にお伝えしております。
気管支喘息の検査
当院では、気管支喘息の管理に有効な検査を行っており、適切な診断と効果的な管理を実施しております。
だいたい5~6歳頃から検査できます。
A:呼吸機能検査(スパイロメトリー)
気管支が狭いかどうかを調べます。思い切り息を吸い込んで、その後一気に吐ききります。
B:呼気NO(一酸化窒素)検査
気道にできた炎症の度合を調べます。吐く息に含まれる一酸化窒素(NO)の量を計って調べます。
気管支喘息治療の目標
気管支喘息の治療の目標は、薬を使用して発作が起こらないようにすることが第一です。薬によって発作が起こらなくなったら、次の段階は薬を減らしても発作が起きない状態をなるべく長く維持することです。
薬を使用しなくても発作が起きない状態が5年以上続けば、気管支喘息が完治したと言えます。
当院では、小児気管支喘息だけではなく、成人の喘息治療も実施しております。喘息でお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。