秋の風が心地よく感じる季節、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今月は睡眠についてお話をさせていただきます。
「人生の約三分の一は睡眠」と言われるように、睡眠は乳児期から13歳くらいまでの間において心身の健康な発達のためにとても大切なのですが、近年の生活スタイルでは理想の睡眠時間を確保することが難しいご家庭も少なくないのでは、と思います。
夕食の支度、入浴、寝かしつけ、日々慌ただしく、夜9時までに子どもを寝かせたいと思っていても、現実は10時を回っている、なんてことがあるのではないでしょうか?
そして、学校生活が始まると、部活や習い事、塾などで生活が夜型になり、睡眠不足になる子どもたちが増えているのも現状です。
National Sleep Foundation(米国国立睡眠財団)による子どもの年齢別推奨睡眠時間を表にしてみました。
お子さまの睡眠時間と比べていかがでしょうか。
日本の子どもの睡眠時間は、諸外国と比べてみても短いことがわかっています。
睡眠に関わるホルモンに、成長ホルモンとメラトニンがあります。
成長ホルモンは、睡眠中に分泌されるホルモンで、寝入って最初の深い眠りでたくさん分泌され、骨を伸ばす、筋肉を増やす、新陳代謝を盛んにする働きがあります。
メラトニンは、睡眠を促すホルモンで、夜遅くなると脳の松果体(しょうかたい)から分泌が増し、自然な眠気を感じさせ、体内時計を整える役割があります。
メラトニンは光によって分泌が止まるので、夜寝るときは暗くし、朝はカーテンを開けて日の光を浴びることを促すことが大切です。夜間は部屋のライトを昼光色(青白い光)から電球色(オレンジがかった暖かい光)に変える、就寝前にブルーライトなどの明るい光を浴びさせないようにする(テレビ・ゲーム・スマートフォン・タブレット使用を避ける)、など工夫できます。
睡眠には成長を促すだけでなく、心を安定させ、記憶を固定し、免疫機能を高めるなど、様々な働きがあります。
睡眠時間の乱れは、将来の生活習慣病のリスクにまでつながりがあることもわかってきています。
2月の「免疫力アップ」のブログにアップしていますが、「質の良い睡眠」をとるためのポイントのおさらいです。
・早寝・・毎朝同じ時間に起きて日の光を浴び、体内時計を起こす
・朝食をとる・・体温が上昇し、体が活動するための準備がとれる
・日中は体を動かす、学校で勉強する・・たくさん活動して、心地よく疲れる
・ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってリラックスする
・早寝・・夜は暗くし、毎日できるだけ同じ時間に布団に入る
成長期のお子さまにとって睡眠時間の確保はとても大切なのです。睡眠は毎日のことだからこそ、生活習慣を変えるのは大変ですが、もし、お子さまの起床時の不機嫌、遅刻、昼間の眠気、頭痛などの不調の頻度、不安、イライラなど、日中の行動に心当たりがおありでしたら、一度、睡眠習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
How Much Sleep Do You Really Need?
(担当:小野)